頭で考え、体で表現することを大切に考えられたスポーツ理論だ。
最近は、子供が外遊びする機会や時間が少なくなり、何かよい方法がないだろうかと思っていた。
子供は、外遊びによって、手の動かし方など、身のこなしや工夫したり根気よく繰り返したりしながら、運動神経や脳を発達させていく。
例えば、トンボを捕まえようと夢中に追いかけ、息を潜め、そっと近寄り、どうにか捕まえようといろいろと工夫する。
机やコンピュータに向かってする勉強もある程度必要だが、脳の発達にとって最も大切なのは、外遊びだと思う。
7つのコーディネイション能力
リズム能力
あらゆるスポーツの上達の要。動くタイミングをつかむ能力。
バランス能力
バランスを保ち、崩れた姿勢を立て直す能力。
変換能力
状況の変化に合わせて、素早く動きを切り替える能力。
反応能力
合図に素早く反応し、適切に対応する能力。
連結能力
身体全体をスムーズに動かす能力。
定位能力
動いているものと自分の位置関係を把握する能力。
識別能力
道具やスポーツ用具などを上手に操作する。
コーディネイションを行うにあたって
「一般コーディネイション」と「専門コーディネイション」がある。
低年齢期には、一般コーディネイションがよく、「正確な姿勢で行えるもの」を選ぶことが肝要である。
やさしいものから、徐々にレベルアップしていけばよい。
効果的に行うには、短時間(30〜60秒)でバリエーションの富んだ課題を取り入れることがポイントだ。
いつもしている運動をコーディネイション運動に変化させる工夫も考えられている。
1.前後左右を切り替える
2.足の運動に手の運動を加える等、複数の運動を組み合わせる
3.テニスボールをバレーボールにする等条件を変える
4.合図を変えたり、フェイントしたり意外性を加える
5.少しずつ難易度を上げて挑戦してみる
子供に対して、「だめ」「前も同じ失敗をしたんじゃない」等と言ってはいけない。
「叱る」「怒鳴る」「命令する」「指示する」言葉は発さないように注意しなければならないらしい。
指導者の態度としては、「見守る」「支える」が基本で、「えらかったね!」「やったね!」と誉める言葉が効果をアップさせる。
さらに、頭の位置を大きく変える運動を意識して行うことで、脳の働きが良くなるようだ。
コーディネイション運動の実際
簡単に、できそうなものを選んでみた。
●速く走るには
1.ボール追いかけ ... サッカーボール等を蹴りながら石や木等を目標として、
それに向かって速く走る。
[バリエーション]
・(速くしたり、遅くしたり)速度に変化を持たす。
・目標物に付いたら、その回りを回ってスタート地点まで戻る。
2.リズム走 ... リズムを取りながら走る。例えば、ケンケンパー等のリズム。
[バリエーション]
・リズムを変化させたり、ジャンプを加えたりする。
・スキップも良いかもしれない。
●もっと高く跳ぶには
1.片足ケンケン ... 5回跳んだら、反対の足で5回跳ぶ等。
[バリエーション]
・ホップ、ステップ跳び(大きく、右、右、左、左と続けて跳ぶ)。
・地面に線を引いて、それを目標に飛ぶ。線の間隔を次第に広くしていく。
2.両足跳びっこ ... 両手両足をそろえて、大きく何度も跳ぶ。
[バリエーション]
・お尻をつかないように座った状態から、両足跳び。
・三段跳び。
3.目標跳び遊び ... 地面に線を引き、それを目標に立ち幅跳びをする。
次第に線を遠くにしていく。
[バリエーション]
・腕を全く振らないで跳んでみる。
・目を閉じたまま跳んでみる。
●遠くへ、まっすぐ投げるには
1.ボールお手玉 ... ボールでお手玉をする。
[バリエーション]
・逆の手から始める。
・種類の違うボールでやってみる。
・ボールを3個にする。
2.神飛行機投げ ... ボールを投げる時のように手首のスナップで投げる。
[バリエーション]
・飛行機の代わりに木の実等をなげ、一番飛んだ時のフォームを
・覚えておく。
・飛んだ距離を競う。
3.的当て遊び ... 板に的を描き、それを目標にボールを投げる。
[バリエーション]
・次第に的を遠くにしていく。
・的の代わりに相手とキャッチボールをする。
●逆上がりができるようになるには
1.靴飛ばし ... 飛ばす方の靴は、踵を入れず、大きく振って飛ばす。
[バリエーション]
・靴を自分の上や下に飛ばす。
・ブランコにをこぎながら、靴を飛ばす。
2.後ろ回り ... ふとんや枕等で斜面を作り、高い方にしゃがみ、耳の後ろで
手を付き、後ろでんぐり返りのように後方に回る。
[バリエーション]
・ぶら下がれるところがあったら手をかけて、けんすいの練習をする
・床の上に座り、両手で膝をかかえて前後にシーソーをする。
●逆立ちができるようになるには
1.バランスボール遊び ... 腕立て伏せのポーズになり、両足をサッカーボール等 に乗せる。ボールから落ちないように注意しながら、 ボールを中心に両手で一周する。
[バリエーション]
・ボールに両足を乗せたまま腕立て伏せをする。
・誰かに、両足を持ってもらう。
2.クッション飛び越え ... 腕立て伏せのポーズになり、クッション等を足の下に 置く。両足を思いっきり上げて、クッション等を飛び 越える
[バリエーション]
・誰かにクッションの代わりになってもらい、飛び越えてみる。
・ふとんを高く積んで、その上に足を乗せ、逆立ちの気分を体験する。
3.壁つたい立ち ... 壁を背にして両手を床について、両足で、壁の下から登るよ うにして、上がっていく。
●でんぐり返しができるようになる
1.揺りかご遊び ... 三角座りをし、背中を丸めて胸と膝の間に、ボールを抱いて いるようなつもりで空間をつくる。
そのまま体を前後に、揺りかごに入っているように揺らす。
[バリエーション]
・三角座りの時、膝の間に頭を入れ、前後にゆらす。
・両手で膝をかかえたまま、前後ではなく、横になって、ゴロゴロする。
・膝をかかえず、両腕を振って起きる。
2.背中ころがり遊び ... 誰かに「お馬さん」になってもらい、「お馬さん」の横 から、うつ伏せになって乗り、そのまま反対側に体を回転させながら、床などに手 をついてころがり落ちる。
[バリエーション]
・両足を大きく開く。両手でサッカーボールなどを持ち、ボールを両足の間に深く入れ る。同時に、頭もボールと一緒に両足の間に入れる。
3.台上転がり遊び ... クッション等を重ねて台を作る。台の上にしゃがみ、床な どに両手をついて、両足を蹴って、そのまま前の方に一回転する。
日常生活でのコーディネイション運動
●逆手歯ブラシ
右手で左の奥歯を磨き、左手で右の奥歯を磨く。
●片足靴下はき
片足で立ちながら、靴下をはく。
●逆手はし
反対の手で、箸を使う。
●ペンまわし
親指と中指でペンをはさみ、人差し指を使って回す。他の指でもやってみる。
●ペンバランス
いろいろな形や重さのペンを、指一本でバランスよくキープする。
●ゴミ投げ入れ
ボールや丸めた紙などをゴミ箱に投げ入れる。
●後ろ歩き
前を向いたまま後ろに歩く。壁等から2〜3m離れ、歩数をいろいろ変えてバックし、 ぶつかるぎりぎりのところでとまる。
●イライラじゃんけん
片手で、グー、チョキ、パーを出しながら、もう一方の手で、それに勝つようにじゃん けんをする。
●マリオネット
片手ずつ、一方の手が、もう一方の手の動きを後追いする。
●片手バランス
片足で立ち、反対の足が着かないようにバランスをとる。
●ゴミ拾い
片足で立ち、「1,2,3,4」と数えながらゆっくり床に手をつき、物を拾い上げる 動作をする。
つぎに同じように数えながら、ゆっくり元の体勢に戻る。
気になる点
やはり西洋のスポーツ理論であるためか、走る時、腕を前後に振ったり(身体がねじれてしまう)、つま先で地面を蹴ったりする方法によって走るスピードを上げることを提唱している。
一方、古武術(ナンバ)式では、体をねじったり、地面を蹴ったりする方法は採らず、身体に負担をかけないことがよいとされている。
ナンバ式の歩き方や走り方も取り入れると、コーディネイション運動の良い面をさらに引き出せると思う。
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