近代科学が説得力持ちえたのは、普遍性・論理性・客観性によるところが大きいが、現実はこの近代科学のパラダイムのみでとらえられるものではない。
治療の過程では、シンクロニシティが起こる場合もあると言う。
また、クライエントの症状の原因を一義的に断定できるものではなく、物語のひとつであるに過ぎないことも多く、その物語も多義的な意味を含んで展開していく。
クライエントの夢等に現れるイメージには象徴として多義的な意味が含まれている。
クライエントとセラピストの交流は言葉以外でも行われ、クライアントの身体症状を自分の身体で感じる(エンパシー)ことがあると言う。
ユングは、無意識を意識によってコントロールされるべき対象とは考えず、無意識自体がある種の自律性を持ち、自らしかるべき方向に変容して行くものであると考えた。
近代科学のパラダイムではほとんど捉えきれない無意識をグノーシス・錬金術・易・魔術・キリスト教等の神秘主義哲学を駆使して心理学で扱えるようにしようとしたのだ。
参考文献
「ユング派カウンセリング入門」大住誠著(ちくま新書)
「ユング心理学入門」 河合隼雄著(培風館)
「心理学と錬金術 (1)(2)」 C・G・ユング著(人文書院)
「偶然の一致の心理学―ユング心理学による占いと共時性の原理」マリー=ルイゼ・フォン・フランツ著(たま出版)
「自然現象と心の構造」カール・グスタフ・ユング 、W.パウリ著(海鳴社)

